【詩】天使のいない夜

翼の匂いがしない

 


秒針の音だけが響いて、それは私の痛みを癒すことはなく 時間の経過すらも教えてくれなかった

 


考える どんな色をしていたか どんな手触りをしていたか

 


考えても、考えても思い出せない 夜が終わらないまま 私は沈むことも浮かぶこともできない

 


独りになることを受け入れた私に 天使はもう現れないのだろう 無臭の部屋が痛いほどの証明だ

 

 

 

人間界で諦めを覚えた私に、もう誰も手を差し伸べない