陰気な夢を見ている。

 

それは意外にも落ち着きがある。不完全であればあるほど、世の中を遮断すればするほど世界観が統一されて安心感がある。

 

明かりがついているのに薄暗い部屋の角を見るだけで夢が見れる。似た夢を浮かべることができる。完全体となったそれを愛しく思う。

 

ずっとこのままでいられればいいのに、それは叶わないからまだ明日が来ないで欲しいね。夢を見続けられる人に憧れるけれど、彼らが見ているのは夢なんかじゃなく彼らが築いてきた価値のある現実だ。

 

陰気な安心感を壊さないで、どうか脳をこのまま、愛しくも一時的な、コピー品の自分のままで。