私はできない子として生きてきた

小さい頃から自分の身の回りのことが1人でできない子供だった。

ものを頻繁に落としたり失くしたり、準備や片付けも人より遅くて、整理整頓も苦手。

そんな私の周りには世話焼きでしっかり者な子達が集まるようになった。

そういう子達が「この子はダメな子だから私が助けてあげないと」という感情で動いていたことを、幼い私もきっとわかっていたのだと思う。

わかっていなかったにしても、「自分は人よりできないのだから、できる人の機嫌をとるべきなんだ」という思考には至っていたのだろう。

"できる子"に助けてもらうために媚びを売る"できない子"の私、その構図がいちばん楽であり、当時の私ができる唯一の方法だったのだろうと思う。

 

自分がどう思うか、自分がどんな人間がより、他人が喜ぶ自分はなにかを考えて生きてきた。

もちろんその通りにできたかと言われればそうでもないけれど、欠点だらけの自分が少しでも他人に必要とされるように動いてきたつもりだった。

この偏った考え方は、18にもなって確立しないアイデンティティという形で私を苦しめることになった。

自分の考えがはっきりしないということは、こうも生きにくい。

思えば最初からできない部分を自分で改善できれば何も問題は無かったのだろう。

私は怠惰な子供だ。