【詩】無題

優しい音楽を聴いて、自分になる

 

暖かいスープで涙が込み上げるように

コスモスを見てしゃがみこむように

赤いランドセルを抱きしめるように

 

自分を包むものを何層も剥がしていく

 

苦しいね そのままじゃ生きていかれないから

今だけ爪を噛むくせをもとどおりにしちゃっていいよ

 

たくさんの人の声帯を通ってわたしの名前は色を変える

もとの色をたまに思い出して、なんだかさみしくなってしまうよね

 

朝日がいやなほど見える わたしがわたしじゃなくなってく気がするけど、きっとそういうものだから