【詩】「天使」
あたしは独りになったとき 天使が見える
大きな羽をもつ まつげの長い天使が見える
あたしの小さなせなかを抱く彼女は あたしを護るしんじつだ
あたしだけの 白く細いしんじつだ
天使はあたしに話してくれる
大丈夫だということを 聞かなくてもいいお話を
黒くとげとげしたそれに ふれなくてもいいことを
天使にふれると あたしはまるくやわらかになる
心がささやかになり そうしてあたたかくなる
天使はそうして消えていく
あたしにほほえんで そっとせなかから手をはなす
あたしのひとりぼっちを救って消えていく